なめろうのひとりごと

日々のことを細々と綴るブログ

こころをことばに

 

自分が嬉しかったり悲しかったりといった心の中の気持ちを、上手く文章にすることができない。

 

自分がどういう気持ちなのか?という問いがあったとしても、「悲しい」「嬉しい」「ムカつく」「幸せ」なんていう単語でしか表せない。それがなんだか悔しい。

 

人の気持ちというのはもっともっと繊細な動きがあって、きちんと言語化すればそれなりに長く、わかりやすく伝えられるはずだし。

でも、その手段を持たない私は「なんとなく」のざっくりとした語彙でしか表現できない。

 

 

そんなときに村上春樹の文章を読んだら、すごく文章がきらきらして見えた。

 

例えば「ノルウェイの森」からこんなシーンを。

 

それから彼女は僕の方を向き、にっこりと笑い、少し首をかしげ、話しかけ、僕の目をのぞきこむ。

まるで澄んだ泉の底をちらりとよぎる小さな魚の影を探し求めるみたいに。

 

これは「直子」というヒロインが動く情景描写でしかないけれど、それでもこんなに凝った比喩表現は、少なくとも今の自分には書けない。

 

そんな一対の美しい瞳が長いあいだ僕の中をのぞきこんでいた。

それから彼女は背のびをして僕の頬にそっと頬をつけた。

それは一瞬胸がつまってしまうくらいあたたかくて素敵な仕草だった。

 

読んでいるだけでドキッとするような、的確かつ美しい表現。

 

 

ここまで的確なものでなくていいけど、心の中を美しい言葉にできる人がうらやましい。

 

 

比喩表現ってすごく難しいんだろうなと思うけど、私もこうやって言語化していけたらなあ、と思う。

 

こころをことばに。

 

今日はこの辺で。では。